動画制作現場ならではの切り口で綴るWebコラム

◆ゲーム感覚の広告。選択肢でラストが変わっていく動画

　これは、海外で爆発的に人気が高まった「インタラクティブムービー」です。

　ユーザーの選択で、ラストが変わっていくという、ゲーム感覚で楽しむことができます。日本でもすでに「インタラクティブムービー」を使った動画がありました。代表的なものにキリンジがあります。

　これは、男子が楽しめる動画かも知れません。蓮佛美沙子さんが出演していて、彼女と擬似デートができる動画です。

　彼女を何回喜ばせることができるかで、ラストシーンが変わってきます。

 クオリティも高く最後まで見てしまいます。→http://www.itsumokawaii.jp/

◆ドラマ仕立ての動画

　大塚製薬が制作した、サプリメント「ネイチャーメイド」は、目にしたことがあるのではないでしょうか。

　これはドラマ仕立てになっていて、セレブ女性4人が、スタイリッシュな生活を送っているという物語です。それぞれの女性を選んで、彼女たちのかっこいいライフスタイルを体験できるようになっています。

　それぞれ、ライフスタイに合わせたサプリメントを紹介しているので、それを見た視聴者は彼女たちのような生活に憧れてサプリメントに興味を持ってもらうことができます。もちろん、購入することもできるので、インタラクティブムービーを使った動画広告ということですね。

◆ゾンビをかき分けてピザを届ける！

　海外では、意表をついたクウォリティーの高いインタラクティブムービーがあります。

　ニュージーランドの宅配ピザの会社が仕掛けたインタラクティブムービーは、ピザを宅配する男性が、ゾンビに囲まれている女性のもとにピザを配達に行くというストーリーです。

　これも、動画の中で選択肢が表示され、それを選ぶことでストーリーが様々に展開していきます。このような動画は、ゲーム感覚で視聴者の興味を引いて、商品の良さを伝えることができます。そして、面白い動画になれば、バイラル効果も期待できます。口コミで広がれば、より多くの方に見てもらう事が可能になります。

　これは制作費も凄く、ちょっと真似できないかもですね（汗）

◆YouTubeがホームページになっている企業

　その他にも、海外の企業ですが、YouTubeの動画を自社のホームページとして利用して広告を出しています。

　YouTubeの動画の画面にリンク先のついたボタンを表示。クリックするとその先にもYouTube動画が待っています。このように複数のYouTubeを使って、商品紹介を展開しています。

　日本では、制作に時間と費用がかかるので、そう多くの企業が導入してないことと、スマートフォンでの対応ができなかったということで、メジャーな動画広告とはいかなかったようです。

　しかし、今でもこの手法を取り入れているサイトはあります。よく、Facebookなどで心理テストのバナー広告を見かけませんか。これも、一種のインタラクティブですね。

　AorBで選択させて、その先に結果が出るというものですから、選択次第で結果が変わっていきます。これもまた、最終的にはカウンセリングや商品を売り込むことができる動画広告ですよね。

◆人の心を掴んでしまう心理操作

　人間はゲーム感覚にハマりやすいです。面白いのですから、人間の心理をついたマーケティングと言えます。私も心理学テストは、ついついやってしまいます。

　新商品の紹介やプロモーションには、もってこいの手法だと思います。最後まで結末が分からない、選び方で結末が変わっていく動画なら、絶対に最後まで見るはずですから。

　面白ければ、口コミで広がって、バイラル効果も十分発揮してくれます。コスト面で費用対効果がどれだけ出るかが難しいところでしょうが、話題性には事欠かない動画になりますね。

　誰でもハマりやすいインタラクティブムービー。商品・サービスを紹介するための手法として、使ってみるのも面白いかもしれません。