2016.10.26メディア戦略(テレビ、Web)
映像・動画制作をしているとやっぱり動画の使われ方を研究してしまいます。
使われ方がわかればお客様にも提案できますので。
という事で、今回はテレビCMの現状をお伝えします!!
若い世代へのアンケートで「最近はテレビを見ない」など、テレビ離れを示唆するようなコメントが見られます。しかしながら「日本人はその国民性からテレビの影響力がなくなることは絶対ない。」とも言われます。
というのも日本人は欧米人に比べて自らの考えを主張することを嫌います。自分の意見を言えば人とぶつかる場合が多いからです。
平和的な日本人は正しいと思っていても、人と意見がぶつからないかを常に意識したりします。ゆえに「多数はどう考えているか」などを情報収集するために無意識にテレビを見ているというわけです。
平成 27 年5月 総務省情報通信政策研究所 平成 26 年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書より引用
CMにしてもしかりで、テレビCMで見たことのある商品やサービスについては「多数に認められているもの」と認識し信頼する傾向があると言えるんです。
ただ補足ですが、若い人は若い人でしっかりyoutube、abemaTV、Netflix、HuluなどのネットTVをしっかり見ています。地上波を見なくなったという方が正しいでしょうか。
では広告業界として見て行くと、テレビはインターネットにシェアを食われているように思われていますが、実はそうではないんですね。テレビ広告のシェアは昔からほとんど変わりません。
ただし、広告メディアミックスの構成は確実に変わってきていて、15年前はテレビ広告で認知と信頼性を得て、新聞・雑誌広告で詳述を訴求するというのがセオリーだったのが、7、8年前からはテレビ広告で認知と信頼性を得て、インターネットで詳述を訴求するという形態に変わりました。
いわゆる「続きはWEBで」というスタイルです。
そして今、テレビ広告には信頼性だけを求めて、認知と詳述訴求はコストの安いインターネット広告で行うという企業が増えてきています。
つまりテレビで自社のサイトにたどり着く検索キーワードを教えてあげて商品詳細や購入はWEBでというわけです。
日本における媒体別広告費の推移
(出典)電通「日本の広告費」
商品やサービスを認知させるために圧倒的に強いテレビCMですが、いまやインターネット広告は同等の認知力があります。
大手企業は広告費の高いテレビ広告出稿量を下げコストの安いインターネット広告に費用を充当し、より高い認知効果を得ていています。
ただし、前述したとおり「信頼性」を得るため絶対にテレビCMを外すことはありません。ここで「大手が手放したテレビ広告枠」に参入してきたのが中小企業CMです。
携帯ゲーム会社のCMなどが例に挙げられるのですが最近やたらとゲームのCM多くありませんか?
中小企業には大手のような莫大な広告費はないので、早くからインターネット広告で訴求力を養ってきた企業が多いんです。
知名度はあるが「信頼性」だけが欲しかったところに、この大手が手放したテレビ広告枠がピタリとはまったわけです。こうしてテレビ広告シェアは多様性をもって維持されたといえます。
それでもテレビCMといえば何億何千万という費用が掛かるのではと考える中小企業が多い事は確かです。たしかに、テレビCMで商品やサービスを認知させるためには、その予算感は間違ってはいません。
しかし今は、テレビ広告は「信頼性」を得るためだけに利用しても良いと言えます。
実は信頼性を勝ち取るためだけなら必要なテレビ広告費は数百数十万でも可能なんです。
例えば東京ローカルで商品の認知を得ようとするためには、%コスト70,000円とした場合、2000GRP※程度の広告出稿量が必要になります。
すなわち1億4千万円ほど。2000GRPというのは、大体その放送エリア内にいる人が「そのCM見たことある」と記憶に残るレベルの出稿量です。
※GRPとは、出稿量と視聴率を基に計算したCM放送広告枠の指標。
GRP=番組視聴率(%)×CM放送回数(回)
ただし、認知はインターネット広告で行いテレビ広告は消費者の信頼を得るためだけという目的の場合は、2000GRPも打つ必要はありません。
個人的には100GRPぐらいで十分だと思います。そうすると広告費は700万になります。
これが大阪ローカルになるとその3分の1、愛知ローカルなら5分の1、北海道・福岡ローカルとなると10分の1くらいで済みます。
また、テレビ広告だけで商品を認知させるためには何度も同じCMを見ないと記憶に残りませんが、インターネット広告でその商品のCMを複数回見た後で、同じ商品のテレビCMを見ると記憶に残りやすいので広告効率も高いと言えます。
余談ですがテレビCMでもABテストって可能なんです。そのあたりのお話はまた今度。
◆認知を得るためにはインターネット広告、信頼を得るためにテレビ広告を利用する。
◆信頼を得るためのテレビ広告であれば費用は数十万~数百万でよい。
まとめるとこうなりますね。
あと、信頼性を高めるためのCMは消費者のみならず社内のモチベーションアップやリクルートにも使われます。
しかしながら問題はWEB広告費が高騰している傾向にある事です。
さらに、民放やNHKもネットTVへの参入が本格化してきています。そうなるとテレビorWEBという比較はなくなって新たにネットTVの広告媒体が現れるという事になります。なくなる放送局も出てくる事でしょうし、個人がブログやyotuberのように広告価値のある媒体を持つ時代です。
広告出稿側もいろんな媒体に出稿したりと、なにかと忙しい時代に突入していきそうですね。
そんな騒がしい時代ですが、本日はしれっとJR奈良駅前のモスバーガーさんでこの記事を書いています。
弊社も月末は何かと多忙を極めますが、多忙すぎて頭のCPUが限界なので明日明後日は滋賀の実家に帰って釣りでもしてみようかなと思います。
皆さんもあまり働きすぎて大切な時間を失わないようにして下さいね。
この記事を書いた人
奈良在住、大阪のクリエイター 上坂厚志
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